【映画 デトロイト】Motownよりサントラが発売。The RootsやMarvin Gayeも参加。

映画 デトロイト Motownサントラ

キャスリン・ビグロー監督最新作「デトロイト」のサウンドトラックが、なんとMotown Records(モータウン レコーズ)からリリースされちゃってるんです!

2008年にイラク戦争での危険物処理班を描いた「ハートロッカー」でアカデミーショー6部門を受賞し、テロ事件の首謀者殺害の経緯を描いた「ゼロ・ダーク・サーティ」でも話題を呼んだ、キャスリン・ビグロー監督の最新作の映画「Detroit(デトロイト)」。

1967年に実際におきたアメリカ至上最大級の暴動「デトロイト暴動」の最中に、アルジェ・モーテルで発生した白人警官による不当な尋問「アルジェ・モーテル事件」を描いた実話を元にして作られた作品。
近年、警官による過剰な力の行使が問題視される中、50年前に発生した「アルジェ・モーテル事件」を題材にした本作品は、キャスリン・ビグロー監督が込める政治的メッセージを感じることができます。
そんな映画「デトロイト」に、より深みを持たせるのが、劇中に流れる60年代のソールミュージック。
本作品で使用されている音楽は、当時の事件との関連性が強く、本作品の主要人物であり、実際に事件の被害者となったデトロイト地区を中心に活動していたThe Dramatics(ザ ドラマティクス)や、暴動のテーマソングのよな扱いを受け「暴動を煽る危険性がある」と全米で一時放送を規制された曲を歌うMartha and the Vandellas(マーサ&ザ・ヴァンデラス)などのアーティストが起用されています。

今回は、キャスリン・ビグロー監督最新作「デトロイト」で使用されている、ソールミュージックを中心にオリジナル サウンドトラックをDIGってみたいと思います。

映画 デトロイトのストーリー

まずは、映画「デトロイト」のストーリーのさわり部分をサクッと紹介しちゃいます。

舞台は、1960年代のミシガン州 デトロイト。
自動車産業がまだ盛んであったデトロイトでは、郊外で豊かに暮らすヨーロッパ系白人と、中心地で暮らす黒人労働者間での争いが絶えなかった。
デトロイトの治安を維持する警察官のほとんどは郊外からの白人で、人種差別が根強く残る1960年代では、度々警官による過剰な力の行使によって、暴動が発生していた。

1967年、デトロイト市警察は違法酒場の摘発したこと切っ掛けに始まった暴動はどんどんと規模を拡大し、ついには食料品店の略奪や銃撃戦が発生するまでに至った。これが世に言う12番街暴動の始まりであり、デトロイト市当局と市警察では対処できない規模になり、ミシガン州軍まで登場する騒ぎとなった。
そんな暴動が発生する中、地元デトロイトの黒人によって結成されたバンド、ザ・ドラマティックスがFOXシアターでのライブ・パフォーマンスのためにデトロイトを訪れていた。しかし、周囲での暴動は次第に激しくなり、警察がライブ会場のある通りを封鎖し、バンドメンバーにデトロイトから退去するように命じた。
彼らは警察の命令に従いバスでデトロイトを離れようとしたが、道中、暴徒化した市民にバスが襲撃されて、メンバーは離れ離れになってしまった。
ボーカルのラリー・リードとその友人であるフレド・テンプルアルジェ・モーテルに一泊し、取りあえず様子を見ることにした。暴動が激化する中、2人はモーテルに滞在していると、同モーテルにいたある一人の男が何を思ったのか、スターターピストル(運動会などで使う空砲)を使って悪ふざけを始め、警官隊がいる方向に向かって数発の空砲を撃ち込んだ。

「ちょっと怖がらせてやろう」くらいの安易な気持ちで発砲したが、警官隊はそれを狙撃手による攻撃だと勘違いしてしまった。アルジェ・モーテルにその狙撃手がいると確信したクラウスは、警官隊を引き連れてモーテルに乗り込んだ。
黒人3人が死亡し、白人3人と黒人6人が重傷を負ったアルジェ・モーテル事件はかくして始まってしまったのである。白人警官による不当で残虐な尋問が続き、犠牲者も増えていく。。。

※上記ストーリーは、一部wkiペディアを参考に制作しています。

映画 デトロイト サウンド トラックについて

映画「デトロイト」に、より深みを持たせる60年代のソールミュージック。

The Dramatics(ザ ドラマティクス)をはじめ、Martha and the Vandellas(マーサ&ザ・ヴァンデラス)、Marvin Gaye(マーヴィン・ゲイ)、THE ELGINS(エルジンズ)など、時代のMotownサウンドを支え、1960年代の音楽に大きな影響を与えたアーティストが多数起用されているサントラ。
その他にも、The Roots(ザ ルーツ)など現在のミュージックシーンに大きな影響を与え、強い社会的メッセージを持つアーティストも参加しています。
本作品は、スタートレック、War Dogs、The Internなど、様々な映画のサウンド プロデュースをするGeorge Drakoulias(ジョージ・ドラコウリアス)が、プロデュースを務めています。American RecordingsのA&Rを務めたGeorge Drakoulias(ジョージ・ドラコウリアス)が、様々な経験をもとに構成された映画 デトロイトのサウンド トラックは非常に内容が濃いものになっています。

Motown Recordsについて

The Supremes(シュープリームス)、The Temptations(テンプ テーションズ)、Marvin Gaye(マービンゲイ)、The Jackson 5(ジャクソン5)など、多くのアーティストを輩出したモンスターレーベル Motown Records。
1950年代のデトロイトに、ベリー・ゴーディJrによって設立され、自動車産業が盛んであったデトロイト(モ-ター タウン)に会社を設立したため、モータウン(MOTOWN)となりました。

メロディアスでいてソウルフルなヴォーカル、歯切れよくリズムを刻むベースライン。ソウル ミュージックとキャッチーなポップ性がうまくマッチングした曲調で、アメリカのみならず、世界的な数多くのヒットを生み出しました。
そんなMotownですが、本作品の題材となる「デトロイト暴動」にも深い繋がりがあり、モータウン スタジオがある場所は、暴動の最も激しい中心地域の近かくに位置していました。
そんなMotown Recordsから、映画「デトロイト」のサントラがリリースされます。

サントラについて

  1. If You Haven’t Got Love - The Dramatics
  2. Jimmy Mack (Remastered 2017) – Martha Reeves & The Vandellas
  3. Baby, Bunny (Sugar Honey) – Jerry Williams
  4. Your Precious Love (Remastered 2017) – Marvin Gaye & Tammi Terrell
  5. Till Johnny Comes (Remastered 2017) – Brenda Holloway
  6. Rescue – James Newton Howard
  7. It Ain’t Fair [feat. Bilal] [Explicit] – The Roots
  8. Devil’s Gotten Into My Baby – The Devotions
  9. You’re The Cream Of The Crop – Lee Rogers
  10. All Because Of You – The Dramatics
  11. Alone – James Newton Howard
  12. Grow – Algee Smit
  13. Heaven Must Have Sent You (Remastered 2017) – The Elgins
  14. I Want To Talk About You – John Coltrane

If You Haven’t Got Love – The Dramatics

サントラ 1曲目を飾るのは、デトロイトを中心に活動する5人組ヴォーカル・グループ The Dramatics(ザ ドラマティクス)。

1964年にミシガン州デトロイトで結成され、甘いスローテンポ コーラスに定評があり、1970年代にリリースされた「In the Rain」と「Whatcha See Is Whatcha Get」がヒット曲として有名です。
今回、映画デトロイトのサントラに起用された「If You Haven’t Got Love」がリリースされたのが1967年で、まさにデトロイト暴動の真っ只中でした。
彼らは本作品の主要人物であり、メンバーのRoderick Davis(ロデリック・デイビス)とLarry Reed(ラリー・リード)に関しては実際に事件の被害者でもありました。「アルジェ・モーテル事件」を語る上では非常に重要な存在と言えるでしょう。

ちなみに、、
そんなThe Dramatics(ザ ドラマティクス)、93年にはスヌープ・ドッグのヒット曲“Doggy Dogg World”にフィーチャーされたことでも話題を呼び、スヌープ・ドッグを通して知ったという人も多いはず。

Jimmy Mack (Remastered 2017) – Martha Reeves & The Vandellas

The Dramatics(ザ ドラマティクス)と共にFOXシアターでのライブ ステージを盛り上げるMartha Reeves & The Vandellas(マーサ&バンデラス)。

劇中では、1965年にリリースされた人気ナンバー「Nowhere to Run」を披露しています。Martha Reeves & The Vandellas(マーサ&バンデラス)は、1960年代のモータウンを代表する女性ヴォーカル グループで、The Supremes(シュープリームス)と共に1960年代を盛り上げました。そんな彼女達、今回の題材となる「アルジェ・モーテル事件」とは、直接的な関係性はないものの、彼女達が歌う1曲「Dancing in the Streets」が1960年代に頻発した暴動のテーマソングのような扱いを受け、「暴動を煽る危険性がある」と全米で一時放送を規制されることもありました。
映画デトロイトのサントラでは、ダンサブルなナンバー「Jimmy Mack」が起用されています。

Your Precious Love (Remastered 2017) by Marvin Gaye & Tammi Terrell

Marvin Gaye(マーヴィン・ゲイ)とTammi Terrell(タミー・テレル)のデュエット ナンバー「Your Precious Love」。

Motownの一時代を築いたMarvin Gaye(マーヴィン・ゲイ)と、Motown Recordsのスター歌手であったTammi Terrell(タミー・テレル)のデュエット作は非常に人気があり、Tammi Terrell(タミー・テレル)が25歳の若さで亡くなるまでの間、4枚のアルバムをリリースしました。
Marvin Gaye(マーヴィン・ゲイ)に関しては、代表曲でもある「What’s Going on」を読みとってもわかるように、人種差別、戦争、ドラッグ問題などアメリカが抱えるの社会問題について、作品を通してメッセージを発信しています。この時代に起きた出来事、事件を振り返るにはMarvin Gaye(マーヴィン・ゲイ)は非常に良い大きな存在とも言えるでしょう。

It Ain’t Fair [feat. Bilal] [Explicit] by The Roots

天才ラッパー Black Thought(ブラック・ソート)と、リズムラインを形成する守護神Questlove(クエストラブ)で結成されたヒップホップバンド The Roots。

The Rootsは作品においても、リリックやミュージックビデオ、アルバムアートワークなどを通し、社会的を主張することがあり、過去にリリースされたアルバム「Things Fall Apart」に関しては、ブルックリン ベッドフォード・スタヴェスサントで起こった暴動の時の写真をアートワークとして使用しています。
今回、映画 デトロイトのために制作された曲「It Ain’t Fair 」。
「It Ain’t Fair = フェアじゃねぇ。」といった意味を持ち、当時、多発した警官による過剰な暴力や、不当な尋問に対して制作されたこの1曲。
このような、社会的影響力の強いアーティストによって、過去に起きた事件を作品を通して今の世代に再認識させるということが、非常に大きな意味を持つことがわかりますね。

Grow – Algee Smith

この曲は、映画デトロイトを語る上では、もっとも重要な曲とも言えるでしょう。

サントラに起用された「Grow」を歌うAlgee Smith(アルギー・スミス)は、本作品の主要人物であり、実際に事件の被害にもあったThe Dramatics(ザ ドラマティクス)の
Larry Reed(ラリー・リード)役を演じています。
過去に事件の被害にあったLarry Reed(ラリー・リード)と、スクリーンを通して50年前にあった悲惨な状況を伝えるべく演じるAlgee Smith(アルギー・スミス)。

「Grow」の歌詞は、この二人の合作で制作されており、「生まれながらに平等である人々が、いつになれば公平にあつかわれるのか。」そんな気持ちを表現した1曲になっています。
なお、Larry Reed(ラリー・リード)は「アルジェ・モーテル事件」の後、The Dramatics(ザ ドラマティクス)を脱退しており、Pastor Larry Reed(ラリー・リード牧師)として、人々を癒すためデトロイトで活動されているようです。

というわけで

デトロイトで起こった悲惨な事件を、その時代を支えた音楽とともに振り返る。

米自動車産業が衰退し、デトロイトという街が加速度的に荒廃されていく今、このような社会性の強い映画を通し、街、事件、文化、歴史を再認識させる。
デトロイトで起こった実際の事件を、その時代を支えた音楽とともに振り返る。
デトロイトの時代を牽引したアーティストを中心に構成され、デトロイトを代表するレーベルMotown Records(モータウン レコーズ)からリリースされる。

映画 デトロイトを通し、Motown(モータウン)の素晴らしさを再認識することができました。

まだこの映画を見ていない人、Motown(モータウン)を聴きたい人は、映画 デトロイトをぜひチェックしちゃってください!